
「音痴だから歌は苦手」
「人前で歌なんて歌えない」
私のピアノ教室に通う小学校低学年の生徒さんでさえ、このようなことを言い声を出して歌うことを拒否する生徒さんがいます。大人であれば、なおさら「自分は音痴」と思い込み人前で歌うことは絶対にしないと決めている人も多いと思います。
本当に「音痴」なんでしょうか?
私が大学生の頃からの恩師は「本当の音痴なんていない」と言います。
そもそも「音痴」とはどのようなことを指しているのでしょうか?
歌っているときに ①音程が悪い ②リズムが悪い ③テンポが合ってない
このような場合に「音痴」と思われるようです。
であれば、その逆のことができるようになると「脱!音痴」となりますよね!
今回の記事では、歌が上手くなるポイントを3つお伝えします。まずはこのポイントを押さえて練習すれば必ず上達すること間違えなしですので、最後までお読みいただければと思います。
ポイント1:よく聞く

このポイントが全てにおいて最重要事項です。
音(音程)をよく聞きましょう。リズムが合ってるか聞きましょう。テンポが合ってるか聞きましょう。
とにかく、この3つができてるか自分の耳でよく聞くことが大切です。
流れてくる音楽もよく聞き、自分の声もよく聞くのです。
「よくわからない」という人は、録音して聞いてみてください。今では携帯電話にボイスレコーダーなどがついていて簡単に録音できます。そして、その曲を上手に歌っている人の歌い方と比較してみましょう。自分の歌い方は音程・リズム・テンポは合っていますか?何度も繰り返し聞くと、そのうち発見があるはずです。
私は、高校生の頃から今でもずっと声楽のレッスンに通っていますが、レッスン中は毎回携帯電話のボイスレコーダーに録音していますし、自宅での練習中もピアノで音程をとりながら歌っているところを録音して確認するときもあります。
また、うまく歌えない部分があった時も何が原因なのか分析するためにボイスレコーダーが活躍します。音程が原因なのか、発声か準備か・・。ボイスレコーダーで録音すると振り返って確認できて便利です。
ポイント2:言葉をはっきりと

例えば、日本語の歌詞を歌う場合、日本語は子音と母音の組み合わせで1つの文字を発音します。
(例)「白い雲」という歌詞の場合
しろいくも → si ro i ku mo
この赤文字の部分が母音ですね。まずは、この母音だけをとりだしてつなげて歌います。その時、口をしっかり動かしましょう。(細かいことを言うと、表面的な口の動かし方ではなく、口の奥の空間も大きく広がるとさらに効果的です)そのあと、子音を入れて歌います。すると言葉がはっきり聞こえる上に、メロディーにぴったりと合わせて歌えるようになっています。
この時にも重要なのが「よく聞く」ことです。
ちなみに、数年前にたまたまテレビで見た某大手ミュージカル劇団の歌の練習も、母音だけをつなげて歌っていました。
ポイント3:お腹を使う

これもよく言われる「腹筋を使って歌う」ということです。腹筋と言っても、歌で必要なのは「丹田(たんでん)」と呼ばれる、おへそから指3本分下にある部分。そこに手を当てて発声練習を行います。
私は、ボーカルの生徒さんとの発声練習の時によく「まずはわざと動かして」とお伝えしています。普段から意識しているとお腹を使っているかどうかが判断しやすくなりますが、初めの頃はよくわからないと思うので、意識的にわざと動かしてお腹を使っている感覚をつかんでもらっています。
お腹を意識すること以外にも
①おしりを締めて ②足の親指の付け根あたりを意識して踏ん張って ③姿勢よく
これらのことも併せて覚えておくといいのではないでしょうか。
まとめ
歌を上手に歌うための3つのポイントは以下の通りです。
- 自分の声や音をよく聞く
- 言葉をはっきりと
- お腹を使う
この3つの他にも細かいポイントはたくさんあります。その中でも上記3つは基本中の基本。歌を歌う全ての人に当てはまる重要ポイントです。
私自身、歌を学んで20年以上たちます。私の恩師は御年80歳超えていますが、まだまだ現役で学び続けています。そんな恩師が「本当の音痴はいない」という理由は、よく聞いて、言葉をはっきりとお腹を使って歌うとある程度上手に歌えるようになるから。そこから先は、細かい練習を根気よく続けることで可能性が広がります。小さな声でもいいので、まずは声に出してみましょう。音痴なんていません。自分の声をよく聞きながら歌ってみましょう!
