
「憧れの曲をピアノで弾いてみたい」
「ピアノを弾けるようになりたい」
多くの方が、このような気持ちでピアノのレッスンに通い始めます。しかし、いざレッスンが始まると、憧れの曲どころか練習曲の音符さえすぐにわからない、指も思うように動かない・・なんてことも。私が主宰する教室にも、上記のような気持ちで入会された生徒さんがなかなか音符を覚えたり指を動かすことに苦戦しているようすが見られます。
今回は、そんな初心者さんがまず初めに覚えてほしいことを3つお伝えします。
結論
- 音の順番を覚えよう
- 音符を覚えよう
- 指番号を覚えよう
当たり前のことばかりですが、この3つはとても大切な基礎知識です。ピアノを実際に弾く前にこの3つを正しく覚えることが上達への第一歩です。順に解説と具体的な練習方法を紹介します。
1.音の順番を覚えよう

「音の順なんて簡単!知ってる!わかってる!」と思っている方ももう一度確認してみてください。スラスラ言えますか?ここでは実際に鍵盤で弾いて練習するだけではなく、声に出して言うだけでOKですよ。
どの音からも上行・下行できるように
当たり前ですが、鍵盤の音の名前(=音名)は《ドレミファソラシ》の繰り返しです。これを《ド》から順に音程を高く(鍵盤を右側へ)進むことは簡単に言えても、下行になると詰まってしまう人がいます。どちらもスムーズに言えるようにしましょう。また、スタートする音も《レ》や《ミ》など、ド以外の音からも言えるようにしていきます。
1音飛ばし・2音飛ばしにも挑戦しよう
順次進行(隣の音に順に進むこと)ができるようになったら、次は1音や2音飛ばしても言えるように練習してみましょう。これがわかるようになると、楽譜を見たときに音符の判断が早くなります。実際にピアノを弾くときの指の動き(動かす幅)もずいぶん迷いが減ります。
練習方法
順次進行も1音飛ばしも声に出して言っていくのが一番の練習方法です。声に出してスラスラ言えれば次は実際に弾いて音の響きを確認してもいいと思いますが、私は声に出して言うだけで十分だと考えます。
ちなみに、教室の生徒さんとの練習では、音名の書いてあるカードを1枚選び出た音名から順次進行(上行・下行)と1音飛ばし(上行・下行)を言っています。ゲーム感覚で楽しんでいます。
2.音符を覚えよう

音の順番を覚えたら、音符の判断も早くなります。音符の見方は簡単です。楽譜には5本の線(五線)があり、その線と線の間を使って音を表します。
五線の線の上の音・線の間の音
ト音記号の楽譜の場合、五線から下にはみ出した短い線の上にのってる音符が《ド》 五線の下の線にくっついている音符が《レ》 五線の一番下の線にのってる音符が《ミ》という風に音符は順番に線の上と線の間を使って表されています。何度も楽譜を見て読み込んでいけばこれらの音符は次第に覚えて判断も早くなるのですが、これを初心者さんでも素早く判断する方法としては、先述した通り「一音飛ばし」の考え方です。ト音記号の場合、五線から下にはみ出している《ド》からスタートして五線の1番下の線の音は《ミ》下から2番目は《ソ》3番目は《シ》4番目は《レ》5番目は《ファ》といった感じで、1音飛ばしで音名を言えるようになっていたら音符の判断も早くできるようになります。
ト音記号になれたらヘ音記号にも挑戦しよう
ヘ音記号はト音記号とは逆で、ヘ音記号の五線から上にはみ出した音が《ド》になります。そこから下に進んでいきます。ヘ音記号の一番上の線が《ラ》2番目の線が《ファ》3番目が《レ》4番目が《シ》5番目が《ソ》です。(※音楽的には五線はト音記号もヘ音記号も下から上に“第一線””第二線”と表すのが一般的です。ここではわかりやすさを重視して中央の《ド》を中心に考えています)
練習方法
これは実践することが一番の練習だと思います。ただ、楽譜を見ていきなり弾き始めるのではなく、まずは音符を声に出して読むことから始めましょう。スラスラ読めるようになると弾くときもスムーズです。
3.指番号を覚えよう

実際に鍵盤を弾いて練習するときのポイントは同じ音を同じ指で弾くことにあります。同じ指で弾くために指番号を決めて練習しましょう。
両手とも親指が1番
練習するうえで指番号を決めていつも守って弾くことは弾きにくい場合もありますが、慣れてしまえばそれが上達への近道ともなります。指番号はあなどれません。両手とも共通して
親指=1番
人差し指=2番
中指=3番
薬指=4番
小指=5番 となります。
たまに「指番号1番=ド」「指番号が1だったらドを弾く」と勘違いしてしまう人も。
指番号はどの指で弾くかを明確にするための番号です。どの音を弾くのかを表しているわけではないのでご注意ください。
練習方法
1~5までの数字を書いた紙を用意して一列にランダムに並べ、左から右に指番号の指をカードにタッチしていきます。片手ずつ練習して慣れたらカードをもう一組用意して2列に並べ両手同時にタッチしていきましょう。さらに慣れたら、テンポを一定に保ち取り組みましょう。次第に早くタッチできるようになるといいですね。
まとめ
いかがでしたか?今回はピアノを弾くために必要な基礎知識を超入門編としてご紹介しました。
1.音の順番を覚えよう
2.音符を覚えよう
3.指番号を覚えよう
現在は多種多様な楽譜があり、誰でも簡単にピアノを弾けるようになりました。ただ、今回ご紹介したこの3つのことはピアノを弾く前に覚えておいた方がいい知識です。また、ご紹介した練習方法も声に出して言うだけの簡単な練習です。声に出して練習することはこの先のピアノの練習でもきっと役に立ちます。私も自分の練習の時も、生徒さんとのレッスンの時も声に出して歌いながら練習するようにしています。声に出してスラスラ言えるように(歌えるように)なると演奏もきっとスムーズになりますので、ぜひ楽しんで練習に取り組んでくださいね。
みなさんのピアノライフを応援しています!